牧神の午後の日記

オタク系の話題です

コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN 21『ラグナレク の 接続』

  1. 冒頭、マリアンヌ as ナナリー。手に持っていたのはマジックですね。気絶したスザクに落書きですか?お茶目なかーちゃんですな?自分の息子と同い年相手に。
  2. 壁の向こうでは、再び皇帝から、自らはウソにまみれ他人には真実を求めると定義されるルルーシュ。それに対して、ウソは必要であると正面切って反論。このことが、B partでのラグナレクの否定に繋がっているわけです。今回のルルーシュは完全に一本線が通っていて、皇帝、あるいはマリアンヌに一歩も引かないところを見せていて、「Cの世界」の時から短期間で大きな成長を遂げていることを印象づけました。
  3. で、皇帝とマリアンヌの望みであるラグナレクの接続。えーと、全てがつながった君の意識=僕の意識な世界は人類補完計画ということでしょうか?なるほど、「人とは集合無意識が付けた仮面」であるならば、以前シャルルが言った、「過去も未来も人類はたった一人」と言う言葉にも納得が行きます。全ては集合無意識の発露の形態のみということですね。そして、彼らの望みは「自分に優しい世界」。ナナリーやユフィの望みは「他人に優しくすることができる世界」。この差は大きく、なんといってもルルーシュには自分がされて感じたこと、という自分にとっての真実があります。それに対しては皇帝やマリアンヌの思いは単なる余計なお世話にしかならない、ここは会話劇のみで進めていますが、声優さんの演技力もあって緊迫した感じにまとまって良かったです。
  4. そして、息子による親の否定。マリアンヌがもし「理想の母親」でシャルルを倒すのみであれば、オイディプスコンプレックスの成就になるのかもしれませんが、あえて母親ごと斬ることで親を超えて行くことが示されました。しかも今まであれほど追い求めていた母親の死の真相があまりにあっさりと明かされるというおまけ付き。それにしても、神(本作の場合は集合無意識ですが)を登場人物にもってくるって、グレアム=グリーンの「情事の終わり」を思い出しましたよ。
  5. あっさりと1ヶ月経過し、ルルーシュの戴冠。そしてなんとナイト・オブ・ゼロですか?あえて言いましょう。『「ゼロの使い魔」?このバカ犬!』(釘宮ボイスで)。−冗談はおいておいて、最愛の人が自らの仇敵と手を組んでしまった神楽耶様の心情を想うと胸が痛みます。さらに、ディートハルトがシュナイゼル側についているようですし、黒の騎士団自体、シュナイゼルとの紐帯をより強めているようにも思われます。扇、玉城はどうでもよいとしても(酷)、藤堂さらには星刻はどう動くのでしょうか?今までのシュナイゼルブリタニアVSルルーシュ・黒の騎士団だったのが、ルルーシュブリタニアVSシュナイゼル・黒の騎士団、という構図になるのでしょうか?それでも忠犬カレンと忠義のオレンジはルルーシュ側だと思いますが。
  6. ルルーシュの行動原理は、シャルルのような全てが判り合える世界でもなく、シュナイゼルのような善意と悪意、本当と嘘が完璧に相対化された世界、絶対権威が支配する世界でもなく、あくまで独立した人と人が争い、時に思いやる人間の世界、と言うことにあるように今回感じられました。であれば、敵・味方がどのような構図になるのであれ、シュナイゼルとは黒白決着をつけることになりそうです。シュナイゼルもそれを望んでいるようですし。
  7. ちょっとだけ気になったのは、グラウンドゼロからミレイ(元)会長が疲れ切った顔で中継しているときに、彼女がやはりそこにいたニーナに気がついたこと。やはり、その後で二人は心の奥を離し合い、その仲が前進したのだと思いたいです(not 性的な意味で)。あと、戴冠宣言の際、物陰に潜んでいたC.C.が非常に悩ましい、不安に顔を曇らせていましたが、その意味は何なのかも気になります。個人的には、破滅に進んでいるように見える二人のその後のような気がしますが。

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