牧神の午後の日記

オタク系の話題です

私のウォルマート商法 サム・ウォルトン

 ご存知、ウォルマート創業者による自伝。日本語副題は「すべて小さく考えよ」。タイトル含めて原題の"MADE IN AMERICA"の方がしっくりくる。日本語副題は、ウォルマートの考え方の一つで、マネジメントは小さく行うということを表したもので、ラスト近くに出てくる考え方で、本書での位置づけは小さいように思う。
 それよりもまずはお客様のことを考える。お客様の利便性、値段を節約すること、メーカー論理に振り回されず、顧客の購買代行業としてどうすればお客様の為になるのか?ということ、そして従業員も一種の社内顧客として優遇することのほうが、ウォルマートの成功要因として根本にあり、「小さく考える」のはその手段にしか過ぎないように思われる。
 それ以外は訳、注含めて文句なし。特に巻末の野口先生の解説は、本書のエッセンスが簡にして要といわんばかりにまとまっている。

amazon: 私のウォルマート商法