牧神の午後の日記

オタク系の話題です

「なぜなら私は−−限りなく天然なのだから」

 紫堂恭子さんの新刊「王子の優雅な生活(仮)」第1巻です。今回はソノラマからの発売。掲載誌は違えど「観用少女」と同じ眠れぬ夜の奇妙な話コミックス扱いです。
 内容は狩りの最中、突然のクーデターによりその地位を追われた天然な王子とそれに巻き込まれた急造使用人アローと有能な補佐ライオネルの逃亡生活といった趣。1巻終了時点では紫堂さんの特徴とも言えるファンタジーな描写は殆どなく、唯一捨て子達の幽霊に関するものがあるくらいでしょうか?それよりも天然ぼけな王子が下々の暮らしを見つつ、王としてのありようを考える成長物語といった側面の方が強そうです。
 最初はライオネルと王の二人だったのが、アローが加わり、さらに仲間が増えて行き、というのは冒険ものビルトゥングス・ロマン(成長物語)の王道と言ってよいでしょう。正直、絵が少し荒れたかなぁ?と思うところもありますが、このプロットと登場人物(主人公たるアンドレア殿下)の魅力でヒキは十分です。

amazon: 王子の優雅な生活(仮)