牧神の午後の日記

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100億の男 3 国友やすゆき

 100億の借金を背負い込まされた男の復讐劇、文庫第3弾となります。
 主人公を徹底的にいじめ抜く逆境に置くのが作者の趣味、というかエンターテイメントの王道として、振幅を大きくとる為にやっていることだとは思うのですが。前巻ラストで自らの命を差し出し、さらには良くしてくれた仲間を裏切ることで、自らの復讐の階段を一歩上がったかのように見えていたのに、あっさり上司、というか復讐対象の娘・沙貴の思惑であっさり転落。落ち込み自暴自棄になりながら、沙貴に嵌められたことを知って、再度復讐の心を取り戻し、填め返す(意味が違いますw)。そして、次に主人公の前に現れたのが、我が儘なお嬢様マリエ。なんというか美人(っても年齢設定含めて世間知らず名ガキな感じですが)でも、腹には一物ため込んでいて、自分に有利になるような浅知恵ばかり働かせる、正直自分の周囲にはいて欲しくないタイプ(笑)です。彼女を利用して沙貴に一矢報いるはずが、彼女に陥れられて窮地に陥るところで次巻に続くと、相変わらずのエンターテーナーだなぁ、と。

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