牧神の午後の日記

オタク系の話題です

働く人のうつ病 上島国利編

 タイトル通り働く人特にサラリーマンを念頭においていて、どのような状況で鬱になるのか?その時の(本人の)精神状況と周りでできるサポートは何か?休職などの治療活動後の復帰をどのように進めるのか?というのを専門家が分担でかいた、一般向けというよりは、企業のメンタルヘルスに携わる人事部門の一部の方や産業医、看護士向けの本。故に内容は単なる概説にとどまらず実践的で診断用のチェックリストについても、その限界も紹介していて好感が持てます。
 上記の医療関係者の方が第一ターゲットだと思いますが、鬱かな?と思っている人や緩解中の鬱な人も読んでみると、色々役に立つと思います。前者の方々にはどのような手段、支援が利用できるのか、それはどのような意図の元でされているのか、休職が必要になった場合どのようなサポートが期待できるのか?どのようなことに心がけるのか?という点で参考になると思いますし、後者の方々には、現在の比較的良好な状態をどう維持し、自身の限界をとらえるのか?と言う点、参考になることもあろうかと思います。
 個人的には患者達によるセルフヘルプグループの紹介が、(そのグループとしての成長が)企業の自発的グループ活動によるイノベーションと被って興味深いものでした。

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