牧神の午後の日記

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IT投資とコストマネジメント 東山尚

 大部な本です。企業ガバナンスの観点から、さらには情報システムの資産価値や投資評価、SLA等扱う内容も多岐にわたり、それらについて一定のフレームを締めそうとしておr,ある程度はその成果は出ていると思います。各論点に関する全体像については使えるフレームもあります。
 但し、その整理の仕方に首をかしげるものも多かったといわざるを得ません。amazonのカスタマレビューでも書かれているのですが、マネジメントレベルについて成熟度もデルを作っているのですが、たとえばITコストマネジメントレベルについては1請求書レベル−2インフラレベル−3運用支出−4IT総支出−5総コストマネジメントとなっていますが、正直2-4は少なくとも今まで私がみた企業では区別する意味がないように思いました。また、IT投資の評価については、投資対象のカテゴリに応じた投資評価の記述に放っておらず、整理しきれていない印象を受けます。さらにプロジェクトマネジメントに関する項でPMBOKに触れていないのは、いったいどうしたことか?と疑問に思わざるを得ませんでした。
 JUAS監修ということで実例なども豊富に入っているのではないか?と期待していただけに実例が皆無だったことも残念でなりません(ある企業では〜というベースの記述はありますが一言レベルで浅い)。

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