牧神の午後の日記

オタク系の話題です

考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術 久米信行

 著者はゲームデザイナーなどを経て家業のTシャツ製造会社を継いだ若手経営者(といっても40代半ば)。トコトン前向きな人はそうでない人に何でこんなことができないのだろう?と思いがちで、著者も明治大学で学生相手に講義した際、同様の感想を持ったことから、まずは小さなことからコツコツと、できることから始めるには、と少しづつステップアップさせる指南書といった案配。まぁ、煎じ詰めて言っちゃうと「積極的になろう!」という自己啓発本の一つです。
 でもね、本当に動けない人はどうしようもなく動けないのだと思う。喩えとしては不適切かもしれないけど、どんなに頑張って練習しても、みんながみんな100メートルを10秒で走れないように動くのに本当に多大な努力、それはもう絶望的なまでの、を強いられる人も多分中にはいるはずで、それはどうやっても動ける人からは判らないのだろうなぁ、と思いつつ。動けない人はせめて社会生活とやらだけは何とか全うしようと頑張っているわけです。だからそんな人に、失敗してもよいじゃない?なんて、すごく残酷な言葉だと思うのです。
 まぁ、前向きになりたくて頑張りたい人が読めばよい本だとは思います。(自己啓発本に食傷している人は除く)

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