牧神の午後の日記

オタク系の話題です

ゴネ得うつ得

 香山リカちゃんの『「私はうつ」と言いたがる人たち』読了。まぁ、題名は詐病的な鬱のみの話のようですが、実際には多様化する鬱病概念とさまざまな症例の紹介、さらにそうした鬱の多様化について手間をかけずに得をすると言う経済概念にアルのではないか?と言う考察を加えた本。リカちゃんは好きですが、考察部分はどうも感覚的に過ぎず、まぁ、無視しても良いでしょう。
 ただ、鬱病といっても現代の主流DSM-IVを基準としたものでは病因は考慮せず表に出た症状から外形的に判断するために、一般人には違和感の残る「鬱」が存在する、と言うことと、どのようなパターンがあるのか、と言う点が非常に解りやすいです。同じようなテーマでは「中嶋聡さんの『「心の傷」は言ったもん勝ちの方が、対処まで含めて書かれており良かったように想います。

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amazon: 「心の傷」は言ったもん勝ち (新潮新書 270)