牧神の午後の日記

オタク系の話題です

大団円

 金庸の「秘曲 笑傲江湖」の第7巻鴛鴦の譜を読了。
 いよいよ最終巻。正直、最後の対決が???な肩透かし感がありますが、思えば義父ともなる任我行さらには今まで戦いを友にした仲間達との直接的な、あるいは奸計を巡らせての殺し合いというのはひょっとすると作者の趣味じゃなかったのかもしれませんが。
 ただ、そこに至るまでの正派内での権力闘争やまさに血を血で洗う戦い、さらには師弟対決等、スリリングな手に汗握る展開にページをめくる手ももどかしく、思い切り堪能させてもらいました。そして何よりも登場人物達の魅力的なこと。登場時はほんのちょい役と思っていたのが、再登場で重要な役割を担うことになったりと、まさに将棋の駒を自在に動かす作者の手腕には脱帽。しかもキャラが立っているから、誰だっけ?ということが殆どないというのも特筆すべきです。とても素晴らしい至福の時間を過ごさせて頂きました。
 なお、作者による後書きが、作者の見識の高さを示す名文になってて唸らされました。

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