牧神の午後の日記

オタク系の話題です

最後の課外訓練

 柳沼行さんの「ふたつのスピカ」第14巻です。
 今回のメインは、宇宙学校での最後の課外訓練。それは整った設備の中で、今までのような無茶苦茶な課題をこなす、というものではなく、ただひたすらに厳しい訓練スケジュールで過負荷を与える試験。ようやっと終わったと思ったその先が、限界の先にある精神力を見るための本当の試験。試験を出す方も誰もクリアできないことを想定しているという、やはり宇宙学校らしい無茶苦茶な試験でした(笑)。
 その中で、「あと一歩の力を与えてくれる」友人の存在。試験を出す側の予想通り誰も完遂はできなくとも、既に自分だけの夢じゃなくなった夢に向かってがんばり続ける主人公達の姿は本当に真っ直ぐで、まさに、「私なんかにも眩しすぎます」。
 13巻からの刊行ペースもいつになく速く、ライオンさんに残された時間も少なくなっている描写もあり、おそらく次巻で進級できる人間が決まり、主人公達が次の一歩を踏み出すところで、この物語も完結するのでしょう。ただ、最後とんでもないことになってしまっているフッチーが、心配でなりません。ここで、彼の身にもしものことがあるのなら、作者には裏切られた気分になるかも、です。

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