牧神の午後の日記

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QUO VADIS〜クォ・ヴァディス〜5 新谷かおる/佐伯かよの

 失われた教授の生存カプセルを求めた先はホンモノの吸血鬼・バートリー夫人のところ。400年以上前、故郷トランシルバニアからレイク・キャッスルの城主に嫁いた彼女は吸血鬼化した夫を救おうとしたが果たせず、自らも吸血鬼となってしまい、人の生き血無しでは生きられない呪われた身体になったはずが、どのような力が働いたのか、教授の生存カプセルに触れることで、吸血本能を失い平穏を得る。彼女の望むのは真祖から語られるであろう生存カプセルに使われている超技術。しかし教授の口から語られる未来は人類の滅び。
 一方で盲目の少女アテナはコーリング教授の復活に執念を持ち、そのために完全な吸血鬼一体の捕獲をソフィアとルクレチアに依頼する。捕獲した少年のナリをした吸血鬼はバチカン潜入が目的なクセ者。彼の目的、そして、アテナがコーリング教授の復活というソフィア曰く「おぞましいもの」を通じて得ようとしている目的は彼女の課せられた重荷に関係するのか?と謎を秘めた中、物語の発端となったエドとリズが教授達との邂逅を果たし、とあらすじを追うだけでてんこ盛りな展開ですが、流石に新谷+佐伯夫妻、話を整理しつつ、場面転換も自然な流れで、物語世界に引き込まれます。
 でも、あえて言います。バートリー夫人から教授達に捧げられた、「特別な羊」さん、私も所望したいのですが、だめですか?(爆)
 ところで、バートリー夫人、P17では「400年以上も生きておりますと」と告白しつつ、お付の人たちについて「もう200年以上一緒にいます」というのはちょっと矛盾?いや夫人がノスフェラトゥになって200年後程に知り合い(例えば、元のおつきの方達の曾孫とか)、吸血鬼化させたとするとつじつまは合うのですが、執事おぼしきヨハンはバートリー旦那から奥方を守るよう仰せつかった人間にしか見えませんので(笑)。

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