牧神の午後の日記

オタク系の話題です

サマーウォーズ

 朝一番の回でしたが、人の入りはそこそこ。お盆休みだからですかね?
 エンドロールが全部終わって皆が席を立って引き上げるとき、あちこちから「面白かったね」や「あっという間だったね」と言う声が聞こえてきました。実際テンポも良いし、テーマ設定も解りやすいし、あぁ、細田さんこんな話を撮るようになったんだ、というのがファーストインプレッション。
 テーマは家族愛。たまたま今朝のNHKニュースでこの映画を取り上げていて、細田監督のインタビューも放送されていたのですが、両親も死んで一人で過ごしていたのが、結婚して相手の家族と関わるようになって、大人数での家族が非常に面白い、大切なんだと実感した旨の発言をされていて、その想いが結構ストレートに映画には出ていたんじゃないかと思います。
 舞台になるのはネット世界のOZ(まるでうまくいったセカンドライフ的な(笑))と長野県上田市の旧家。主人公はその旧家の娘であるところの先輩から、ちょっとしたアルバイトを頼まれて本家のおばあちゃんの90の誕生祝に出席することになったのだけど、OZでとんでもないことに巻き込まれ、それが現実世界にも波及して、というのがおおまかなプロット。OZ内部の描き方があまりにステレオタイプなネットの描かれ方(表現方法はおそらく現代最高のアニメ技術が使われているのですが)だったり、ラスボスであるところのラブマシーンを倒すのがドラゴンボールだったり、結局最後は魔法少女かよ!とツッコミどころは満載だったりなんかするのですが、旧家の豪邸という舞台設定を活かした、非現実的なまでの横長のバースを長回しで映して行くシーンや、監督もインタビューで拘っていたと言った夕焼け、空の表現、やっぱり細田さんだなぁ、とシーンごとの見せ方と切れ味はやはり最高と思わされました。三叉路が出なかったのが少し残念ではありますが(笑)。
 個人的に不満があるとすると「ハッカー」じゃなくて「クラッカー」だろう?だったり、ハヤブサがモティーフになった人工衛星帰還が大ラスの危機になったりするんですが、ハヤブサタンがそんなことになったりするはずないじゃないですか(涙)という大いに個人的な思い入れから来るものくらいです。私のように一人で見に行くも良し、友人と見に行っても恋人や家族と見に行っても十分楽しめると思います。
 あぁ、これだけは言っとかないと。「おばあちゃん、結婚してください」。いや、ホントに良い女であり、母ですよ?

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