牧神の午後の日記

オタク系の話題です

帯の惹句が白々しすぎますが。

 私が好きになった少女漫画のうちではかなり最初の方の作品である、曽根まさこさんの「不思議の国の千一夜〜ヘンデク・アトラタン物語〜」がまた文庫で復刊されていました。文庫になるのは私の記憶では2回目です。帯にナルニアや指環を引き合いに出すのはどうかと思いますが、なんというか作者には珍しいコメディタッチが勝る作品で、ハッピーエンドのほのぼの物語。
 中世ヨーロッパと思しき舞台で主人公セブランは王子として生まれながら、実は女の子、というリボンの騎士を彷彿とさせながら、手塚があくまで女性としての幸せをサファイアに用意したのに対し、セブランは男性としての幸せをつかむことになります。そのパートナーがタイトルにも入っている神馬ヘンデク・アトラタン。最初は気難しく人間を見下していたこの神馬もセブランの人の良さに感化されて、すっかり馬が良く(?)なってしまいました。
 ヒロインのミルテ姫がまたうぶで可愛く、初心(赤ちゃんはこうのとりが運んでくると信じているとか)なところもまたGood。おつきのフリーダもしっかり者でありながら、やっぱり初心。敵役のイアモンもすっかりギャグキャラだし、ファンタジーコメディの佳編です。

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