牧神の午後の日記

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寝取られ(違)

 金庸の「秘曲 笑傲江湖」の第2巻幻の旋律を読了です。小さい頃から兄妹のように育ち、いつしか相思相愛になった愛しい人の心変わり、とギャルゲならここから復讐に燃える主人公の鬼畜・陵辱ルート一直線となるところですが、好漢悪漢取りそろえた武侠小説たる本編では主人公にそんなことをさせるわけもなく、心千々に乱れさせつつ、あらたな武の境地へと導いていきます。しかもこれがまた、話の展開が速い速い。主人公の才覚もあるのでしょうが、新たな武派を乾いた砂が水を吸い込むように、一夜一夜で上達が目に見える、ってのはデキスギでしょう?と皮肉の一つも言いたくなるくらい。
 一巻から悪漢として名をはせ、主人公と命のやり取りも何度化した田が蟄居を命じられた主人公に銘酒を持って訪ね、語り合う下りもいいですね。話の内容は比ぶるべきもないですが、「Fate/Zero」での聖杯問答のシーンを思い出しました。

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