牧神の午後の日記

オタク系の話題です

とある科学の暗黒部分

 とでも言うべきか、鎌池和馬さんの「とある魔術の禁書目録 15」読了。帯にあるとおり、「この物語に幻想殺しの少年は登場しない」し、さらにヒロインの禁書目録、さらに番外編でのヒロインのレールガンのお嬢様もいっさい登場しません。クライムノベルというかピカレスク小説のように9.30事件以降に行った学園都市の(一部の住人の)変化、地下組織の暗躍と抗争しかないといってよいです。
 前巻のヒキがあんな思わせぶりなところだったんで、今回は上条が学園都市に戻ってきて、美琴とのシリアスな、しかしはた目にはどう考えてもじゃれているようにしか見えないやりとりがあるのかと思っていたところに、この非情な展開には正直かなり面食らいました。しかし学園都市の魔術サイドが宗派、さらには構成員個人個人の思惑があるように、科学サイドも同様にそっれぞれの思いがあり、結果としてそれらの人間が交錯する本巻も結局のところ相当な読みごたえがありました。特に浜面の燃え加減は、今回不在だった主人公の穴を埋めるに十分な大活躍。今後も活躍して欲しいキャラです。
 一方で、登場人物が多すぎで雑然とした印象を与えるのはマイナス。地下組織5つで構成員が各々4人。中には再登場のキャラもいますが、ほぼ1巻きりの使い捨てになっているんで、ちょっと勿体ない&もう少しキャラ配置というか活かし方を考えて欲しいとミサカはミサカは思ってみたり。

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