牧神の午後の日記

オタク系の話題です

天は自ら助くる者を助く

 機本伸司さんの「メシアの処方箋」読了。
 現れたなぞの木簡。そこに記載された蓮の文様。ロータスと自称する謎の男が主人公の前に現れ、その文様の謎を解くために動き始める。そこに記載された文様はじつは遺伝子情報であり、その遺伝子を復元し誕生した生命は、どのようなメッセージを人類にもたらすのか?というのが大変大まかな粗筋。
 出てくる人間すべて一癖も二癖もある中で、やはり魅力的なのはロータス。目的のために他人を義性にすることをいとわず、ひたすらに彼の携えるメッセージを希求するそのエゴイスティックな生き方は、正直巻き込まれたくはないですが、目が離せない。その尻拭いをさせられる主人公にはご殊勝様と言うしかないですが。
 で、彼の携えてきたメッセージを主人公が読み解くラストが個人的には今ひとつ。主人公が読み解くのがあまりに唐突なのと、それが彼らの救いなのか?というのかと。

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